札幌地方裁判所 昭和56年(わ)1330号 判決 1982年8月10日
本店所在地
札幌市中央区北五条西二五丁目一五番地
法人の名称
サン・ミート株式会社
代表者の住居
札幌市中央区宮の森二条一六丁目一、一九四番地一九
代表者の氏名
代表取締役 亦野一晴
本籍
札幌市西区手稲本町二条三丁目五番地七
住居
同市中央区宮の森二条一六丁目一、一九四番地一九
職業
会社役員
亦野一晴
昭和三年三月一日生
法人税法違反被告事件
主文
被告人サン・ミート株式会社を罰金八七〇万円に、被告人亦野一晴を懲役一〇月にそれぞれ処する。
被告人亦野一晴に対し、この裁判確定の日から二年間、右刑の執行を猶予する。
理由
(犯罪事実)
被告人サン・ミート株式会社は、札幌市中央区北五条西二五丁目一五番地に本店を置き、食肉製造販売等を目的とするもの、被告人亦野一晴は、同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人亦野は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、食肉売上げの一部を除外するなどして簿外預金を設定するなどの方法により所得を秘匿したうえ
第一 昭和五三年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における同会社の実際所得金額が二五、六三三、六六〇円あったのにかかわらず、同五四年二月二八日、札幌市中央区北七条西二五丁目所在の所轄札幌西税務署において、同税務署長に対し、所得金額がない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額九、四〇八、〇〇〇円を免れた
第二 同五四年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における同会社の実際所得金額が一三二、七七七、一〇三円あったのにかかわらず、同五五年二月二九日、前記札幌西税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四七、二二八、一六九円で、これに対する法人税額が一七、九七八、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額五二、一九八、〇〇〇円と右申告税額との差額三四、二一九、六〇〇円を免れた。
(証拠)
判示全事実につき
一 被告人の当公判廷における供述
一 被告人の大蔵事務官(四通)および検察官に対する各供述調書
一 今野ミツ子の大蔵事務官および検察官に対する各供述調書
一 今野ミツ子作成の上申書
一 田端良雄の大蔵事務官(昭和五六年四月二七日付、同年五月六日付、同月二八日付、同年六月三〇日付、同年七月一六日付、同年八月六日付)および検察官に対する各供述調書
一 田端良雄作成の上申書
一 志賀靖弘の大蔵事務官(二通)および検察官に対する各供述調書
一 三好一夫(二通)、栗山昌次の大蔵事務官に対する各供述調書
一 竹島斐夫ら作成の答申書
一 札幌西税務署長作成の「法人税修正申告書(写)」等の送付についてと題する書面謄本
一 大蔵事務官作成の脱税額計算書
一 検察官作成の捜査報告書
一 大蔵事務官江頭千里作成の同年八月二六日付、同月三一日付(五通、検察官証拠請求番号8、17、21、24、25の分)各調査事績報告書
一 大蔵事務官立川常雄作成の同年八月二六日付(二通)、同月三一日付(三通、検察官証拠請求番号10、14、20の分)、同年九月一日付(検察官証拠請求番号22の分)各調査事績報告書
一 押収してある法人税決定決議書一冊(昭和五七年押第七九号の1)
判示冒頭の事実につき
一 登記官作成の登記簿謄本
判示第一および第二の各事実につき
一 札幌西税務署長作成の青色申告の承認の取消通知書謄本
一 大蔵事務官作成の同年一一月五日付調査事績報告書
判示第一の事実につき
一 大蔵事務官江頭千里作成の同年八月三一日付(二通、検察官証拠請求番号16、19の分)各調査事績報告書
一 田端良雄の大蔵事務官に対する同年七月一五日付供述調書
判示第二の事実につき
一 大蔵事務官立川常雄作成の同年八月二九日付、同月三一日付(検察官証拠請求番号23の分)、同年九月一日付(検察官証拠請求番号15の分)各調査事績報告書
一 田端良雄の大蔵事務官(同年六月二五日付、同年七月三日付)に対する各供述調書
(適条)
被告人会社および被告人亦野の判示各所為は、各事業年度ごとに昭和五六年法律第五四条「脱税に係る罰則の整備等を図るための国税関係法律の一部を改正する法律」による改正前の法人税法一五九条一項(被告人会社につき、さらに同法一六四条一項)に該当するところ、被告人亦野については所定刑中いずれも懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、被告人会社については同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内において罰金八七〇万円に、被告人亦野については同法四七条本文、一〇条により、犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内において懲役一〇月にそれぞれ処し、被告人亦野に対しては情状により同法二五条一項を適用して、この裁判確定の日から二年間、その刑の執行を猶予することとする。
(検察官 富田益行出席)
(裁判官 安藤正博)